濃厚接触の認定「縮小」したが…施設で年越しの人は「時間を返して」「つらい」

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」を巡り、政府が濃厚接触者の基準を見直したのを受け、宿泊施設の確保が限界に近づきつつあった自治体からは、安堵(あんど)する声が上がった。
しかし、適用されるのは28日の入国者からで、すでにホテル生活を続けている濃厚接触者からは「年末年始は家族と過ごしたかった」と不満も聞かれた。
■■「評価したい」
成田空港がある千葉県は、宿泊施設を約900室確保しているが、濃厚接触者は約770人に上る。27日、認定見直しなどを後藤厚生労働相に要望した同県の熊谷俊人知事は、「早期に見直しをしてもらわなければ、早晩あふれてしまう。年末は帰国者が集中する。この時期に判断していただいたのは評価したい」と語った。
政府は、海外でのオミクロン株流行を受けて濃厚接触者の基準を強化。航空機でコロナ感染者が出た場合、「前後2列を含む計5列の乗客」という従来の基準について、同株では同乗する「全乗客」とした。その上、濃厚接触者に対し、帰国後14日間、国や自治体の宿泊施設で待機するよう求めていた。
自治体は、コロナ患者用の宿泊療養施設を濃厚接触者用に転用するなどして対応したが、濃厚接触者が急増し、収容しきれない自治体も出ていた。
ただし、今回の見直しは28日午前0時以降の帰国便からで、さかのぼっては適用されない。
22日から千葉県内のホテルで待機生活を送っていた東京都内の50歳代の会社役員男性は「見直しを聞いて正直驚いた。年末年始には子どもたちを連れて実家の愛知に帰りたかった。時間を返してほしい」と憤った。19日からホテルに待機している関西地方の男子大学生(23)は「クリスマスや年末年始は家族と過ごすはずだったのに……。狭い部屋での生活はつらいが、当時はそういう判断だったので仕方ない」と受け止める。
■■すでに「自宅」も
一部の自治体では、すでに宿泊施設で収容しきれず、「自宅待機」を容認しているところもある。
神奈川県は今月16日から、〈1〉自宅で十分な隔離生活ができる〈2〉高齢者や感染リスクが高い同居者がいない――ことを条件に、濃厚接触者の自宅待機を認めることにした。濃厚接触者は25日現在で1241人に上り、県の宿泊施設(計339室)では対応しきれなくなっていた。県の担当者は「コロナ感染者用の宿泊療養施設の確保も考えると、濃厚接触者に提供できる部屋は限りがある」と打ち明けた。