濃厚接触者7000人、待機施設が逼迫…機内の「接触者」の範囲を縮小へ

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大を受け、厚生労働省は27日、海外から到着した飛行機に同株の感染者がいた場合の濃厚接触者の範囲を縮小すると発表した。
機内の乗客全員とする現行基準を28日から改め、従来の「前後2列を含めた計5列の乗客」に戻す。増加する濃厚接触者を受け入れる自治体の負担軽減を狙う。
今の基準は、国内での流行を遅らせるための水際対策として、11月末から運用されてきた。しかし、空港検疫で同株の感染者が判明するケースが増え、27日午前0時時点での濃厚接触者は約7000人に上る。濃厚接触者は国や自治体が用意した宿泊施設で14日間の待機が求められるが、濃厚接触者の急増に伴い、空港を持つ自治体の施設が逼迫(ひっぱく)し、千葉県の熊谷俊人知事らが見直しを要望していた。
■機内の濃厚接触者の感染は0・1~0・2%
厚労省によると、機内に同乗した濃厚接触者のうち、感染が判明したのは0・1~0・2%で、「オミクロン株であっても割合は極めて低い」(後藤厚労相)という。このため、濃厚接触者の範囲を、ほかの株と同様に感染者の座席と前後2列を含めた計5列の乗客に限ることにした。
それ以外の座席に座っていた人は、他の入国者と同様の扱いとする。14日間の自宅待機を要請するほか、同株流行の国や地域からの入国者には3~10日間、施設で待機する「停留」を求める。
■28日午前0時以降の到着便から適用
新たな基準は28日午前0時以降に到着する便から適用し、すでに施設に入っている濃厚接触者には引き続き施設での待機を求める。
さらに厚労省は28日から濃厚接触者の特定を迅速化する。空港検疫で感染が判明した人の8割がオミクロン株となっているため、検査で陽性の場合は「オミクロン株疑い患者」と扱い、計5列の乗客に濃厚接触者となったことを伝える。早ければ空港にいる間に連絡がとれるため、感染拡大防止につながるという。
厚労省の27日の発表では、空港検疫で同株の感染者が新たに59人確認され、検疫での同株の確認は計247人となった。
東京医科大の浜田篤郎特任教授(渡航医学)は「オミクロン株は、ほかの株よりも感染力が強いため、乗客全員を濃厚接触者としていたはずだ。急な方針転換で国民に不安を与えないよう、政府は感染した濃厚接触者の座席がどのくらい離れていたかなどの情報を国民に丁寧に説明する必要がある」と指摘している。