激安でも安易に買ってはいけない…知らない人だけ損する「初売りセールの鉄則」

―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第359回目をよろしくお願いします。
◆知らなきゃ損する「初売りセールの闇」
いよいよ初売りです! どこのお店も激安になる新年最初のセール!
しかし、初売りもアパレルの罠がたくさん仕掛けられています。今回は「失敗しない買い物」のために初売りで意識すべき鉄則を3つ紹介!
これを知らないと絶対損する初売り! アパレルの内情も含めながら徹底解説していきます!
◆★初売りの鉄則<福袋は基本「ワナ」! 避けて通るのが基本>
これは長年言い続けていることですが……福袋は基本買わない方が無難です。
もちろん「このブランドのアイテムだったら、何が入っていても幸せ!」とか思うのあれば、購入しても損はないでしょうが、そうでもない限りは購入は冷静に考えてからをおすすめします。
福袋は「いいものが入ってるかもしれない」と期待して購入する「おみくじ」のようなものですが、実際はその確率は限りなく低いです。
◆福袋にお金を使うならセール品を購入
入っているものは特殊な色やデザイン、もしくはシーズンハズレや型落ち品などの不良在庫が大半。あまりひどいものばかり入れるとクレームがひどいので1点くらいは良品が入っていることも多いですが、たいがいは「1点だけ使えるけど、あとはメルカリ行き」になるでしょう。
それなら福袋に使うお金でセール品1点購入したほうがはるかに賢いです。
「宣伝のために福袋にいいものを入れるかもしれないじゃないか」とお思いかもしれませんが、そもそも宣伝になるのであればなぜ「中身を隠す」のですか? 開けたら満足度が高い宣伝になるようなものが入ってるのであれば、中身を見せたほうがいいはずです。
◆そもそも福袋にいい服を入れる道理がない
実際、いくつかのブランドではそうしたことを行っています。「中身にこれが入っています!」と宣伝に福袋を使い、それで集客を図るところも少なくありません。
結局、「中身を隠す」というのは「見られたら困るから」という理由が大きいのです。
僕も10年以上福袋作りをこの時期、大量にやってましたが、「これは俺もほしい!」と思ったことは1~2回くらいしかありません。期待値の低いところにお金をかけて失敗するよりも、そのお金で気に入った服を1枚買うほうが余程賢いと思います。
「隠す」からにはワケがある。福袋にいい服を入れる道理がない以上、買うのは基本避けておいたほうが無難です。
◆★鉄則<セールは最初の3日間が勝負! あとは諦めるのが吉>
「残り物には福がある」は嘘、アパレルにはそんなものありません(笑)。どんなアパレルショップでもたいがいがそうですが……年間で一番売上が立つ日が「初売り」です。
月で考えると12月が一番、売上の山になりますが、日で考えると初売り……つまり1月1日か1月2日です。
大量のお客さまが来て、新年のいい気分でサクサク購入してくれるので初売りの日はバブル時代のバーゲンさながら。
その後、初売りから1日、2日は集客が続きますが、そのあたりですでに良品は食い荒らされてしまうのが普通です。
3日ほど経つともうサイズも色もデザインも、残って然るべきものばかりに。その中からおしゃれになれる良品を選ぶには相応の審美眼が必要になるでしょう。
◆例年以上に在庫は枯渇気味
また、今年は在庫がさほど用意されていません。

今年の冬の仕入れは、感染状況も緊急事態宣言もどうなるかわからない状況下で行われたのでほとんどのお店が消極的だったのです。
しかしながら、ご存じの通り、日本ではそれなりにコロナが落ち着いてきていて(これからまだオミクロン株などが増えていく可能性もありますが)、人流が戻りつつある。少ない仕入れに対して人が戻ってきたので、実はこの冬はあまりセール品が残っていないのです。
ただでさえ売るものが少ないのに、年間一番の集客があれば……1月4~5日くらいにはもう焼け野原。セールは最初の3日間が勝負と思ったほうがいいでしょう。
◆★鉄則<秋冬モノばかり買うのはNG! だったら春夏に投資せよ>
当然、初売りセールでは秋冬品がメインになるわけですが……あまり秋冬品を今大量に買うのはやめておいたほうがいいでしょう。
そもそも秋冬のアイテムがいつまで使えるか考えてみると……都内ならばだいたい3月にもなれば春の兆しが見えてきます。
ダウンや厚手のコートの寿命もそのあたりが限界。そう考えるとわずか1.5~2か月くらいのために数万円も払ってしまうのは……と気がつけるでしょう。
◆「来年も着るかも」と思ってもほぼ着ない
「いやいや、来年も着るかもしれないでしょ」と思うかもしれませんが、来年になると来年の新作のほうが輝いて見えるのが心理です。
昨年から持ち越しているものはほんのわずかにくすんで見えてしまうもの。もちろんたった1年で価値が劇的に落ちるとまでは言わないですが、新作と比べると何か物足りなく見えてしまう。
これは服好きであるほど理解できるはず。スーパーシンプルな服ならともかく、「来年も使うかも」と思って買っても、だいたいは「思ったほど着ない」結末が待っています。
◆早い時期に買っておくべき理由
だったら春夏に投資したほうがいいと私は思います。1月になると、もう各ブランド春夏の新作が登場します。アパレルは追加生産がしにくいので売切御免のブランドがほとんど。
早い時期だとさまざまな良品の中から「当たりの服」をGETできますが、4~5月になってから春夏モノを買おうとするとすでに常連さんに食い荒らされて残ったものから選ぶことになるのです。
なぜ追加生産がしにくいのか? それはアパレルの構造に問題があります。
服は一社で作ることができません。綿花から綿を積み、それを生地にし、生地をきれいに加工・整理し、ボタンやZIPなどの部品を調達し、それを縫製し、それを小売店に卸ろし、ようやく消費者の手元に届きます。このすべての工程が全て違う会社が請け負うことも多いのです。
◆早めに春夏モノに切り替える
そうなると、思いつきで「これ売れたから追加したい!」と考えても、おおよそ3か月は各社の調整や生産期間が必要なのです。すると2月に春物を追加すると5月頃に納品されることになる。5月になるともう長袖は売れない「夏物」の時期。
アパレルは「リードタイムが長い」「販売期間が短い」という二重苦を背負っているがゆえに追加生産が大変難しいのです。
かなり条件が揃わないと追加できないのがブランドの内情。つまり「良品は早い時期になくなっていく仕組み」になっているのです(これを逆手にとってリードタイムを解決し、生産を極端にスピーディーにさせて天下をとったのがZARAのビジネスモデル)。
だからこそ早い段階のほうがいいものが揃っている。つまり今から秋冬に投資するくらいならもう秋冬は諦めて「春夏に全力投資」するほうがいいリターンが得られるのです。
以上、初売りの鉄則3つをお教えしました! これらを参考にぜひ失敗のない新年セールを!
―[メンズファッションバイヤーMB]―