「病死」CT画像で一転、連続殺人に 茨城・介護施設元職員を再逮捕

茨城県古河市の介護老人保健施設で男性入所者が注射筒(シリンジ)で空気を注入されて殺害された事件で、茨城県警は29日、元施設職員の赤間恵美容疑者(36)=同市大和田=が、同じ施設の別の入所者の殺害にも関与していたとして、殺人容疑で再逮捕し、発表した。
赤間容疑者が施設に勤務した2カ月余りで複数の入所者が急死しており、県警は連続殺人事件として捜査している。
捜査1課によると、赤間容疑者は昨年5月30日午後3時半ごろ、看護師として勤務していた「けやきの舎(いえ)」で、入所者の鈴木喜作さん(当時84)=同市=の右腕の点滴チューブからシリンジを使って空気を注入し、血液が循環しない状態にして殺害した疑いがある。鈴木さんは同日午後5時15分ごろ、搬送先の病院で死亡した。
赤間容疑者は、同年7月に入所者の吉田節次さん(当時76)の足の血管に空気を注入して殺害したとして、8日に殺人容疑で逮捕されていた。水戸地検は29日付でこの事件については処分保留とした。
■急変、容疑者が最初に伝える
県警は、吉田さんの死亡を機に、ほかの入所者が死亡した経緯について捜査。鈴木さんは当初、病死とされ、遺体は司法解剖されなかったが、鈴木さんが搬送された病院で撮影されたCT(コンピューター断層撮影)の画像が保存されていた。CTの画像から体内に空気が入った形跡が確認されたという。県警はCT画像への専門医の見解のほか、鈴木さんの容体の急変を最初に同僚に伝えたのが赤間容疑者で、その直前に、1人で鈴木さんの部屋に入る姿を別の職員が目撃していることなどから、赤間容疑者が殺害に関与した疑いがあると判断したという。
鈴木さんは介護を必要としていたが、寝たきりではなく、容体が急変する状態ではなかったという。
県警によると、赤間容疑者は昨年4月下旬から看護師として同施設で働き始めたが、鈴木さんが死亡した後の6月中旬からは施設側の判断で看護職ではなく、介護職となり、シリンジを扱う立場ではなくなった。だが、7月に吉田さんが死亡する直前にベッドの近くでシリンジを動かす様子が目撃され、同僚から問い詰められた直後に、自主退職していた。
県警は捜査に支障があるとして、赤間容疑者の認否を明らかにしていない。(林瞬、佐々木凌)