嫌われる人の「話し方」 ドン引きの残念な共通点

年上に嫌われる人・年下に疎まれる人の話し方とは?(写真:kotoru/PIXTA)
年末年始は、仕事上の相手に限らず、親戚や友人関係など、ふだん会わない相手と久しぶりに会う機会が多くあるものです。そうした機会に、本人にはそのつもりがなくても「感じ悪い」「もう会いたくない」と思われてしまう人がいます。
いったい何が原因なのでしょうか? ここでは、年齢の離れた人とのコミュニケーションにおいてやりがちなミスと改善法を、著書『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』の著者、藤吉豊さんが解説します。
「あの人、いつも同じ話ばっかり。しかも長くて疲れる」
「久しぶりに会ったら、なんだかあの人、感じが悪い」
あなたの周りに、こんなふうに思われてしまう人はいませんか?
本人には悪気がなくても聞き手が不快になってしまうケース、ほめるつもりでかけた言葉が、実はハラスメントに該当するといったケースは、珍しくありません。
その理由は、両者の価値観が違うから。立場の違う人や年代の離れた人と話す場合、相手に不快感を与えないためには、とくに注意を払う必要があります。
両者のコミュニケーションが難しい一方で、立場や年代の離れた人との交流は、お互いにとっての経験であり、成長につながる糧ともなります。そこでここでは、立場や年代の離れた人とのコミュニケーションの基本について解説していきます。
「感じのいい挨拶」で印象ががらりと変わる
人間関係は、「挨拶」から始まります。挨拶は、「人の心と心をつなぐきっかけ」であり、誰でも、誰とでも簡単にできるコミュニケーションです。
話し方の名著に書かれていた「挨拶のメリット」をまとめると、以下になります。
◆挨拶のおもなメリット
● 相手からの印象が良くなる。● 社会常識のある人だと思われる。● 相手に信頼感、安心感を与える。● 相手の承認欲求を満たす。
感じのいい挨拶で好感を持ち合うことが、その後のコミュニケーションを円滑にするためには欠かせません。
好感を持たれる挨拶の基本は、次の4つです。
◆上手な挨拶の基本
(1)自分から先に挨拶する
「される」のを待つのではなく、自分から先に声をかけます。自分から挨拶をすれば、「あなたに心を開いています」という姿勢を示すことができます。
マナー講師の金森たかこさんは、著書『入社1年目ビジネスマナーの教科書』(プレジデント社)で、
「挨拶の『挨』には心を開く、『拶』には相手に近づく、という意味があります。あなたから心を開いて、先手で相手に近づくことが挨拶です」
と述べていました。
年上から、年下から、などと立場にこだわるのではなく、自分から感じのいい挨拶を心がけましょう。
(2)笑顔で明るく挨拶する
つまらなさそうに挨拶をすると、反感を持たれることがあります。ハキハキと明るい声で挨拶をしましょう(笑顔が苦手な人は、口角を上げると表情がやわらかくなります)。
(3)相手の目を見て挨拶する
視線を外しながら挨拶をすると、相手は「私のことが嫌いなのかな」「無理やり挨拶をしているのかな」と不安になります。
(4)プラスのひと言をつけ足す
挨拶のあとにひと言(ワンフレーズ)プラスすると、会話が進みやすくなります。
「おはようございます」  ↓(ひと言プラス)「おはようございます。先日はご連絡をいただき、ありがとうございました」
「笑顔で、相手の目を見て、自分から挨拶する」のが基本です。
相手の立場や年齢の上下で、態度を変える人がいます。しかし、役職や肩書、年齢は上下関係を示すものではありません。また、プライベートにビジネス上の関係をそのまま持ち込むと、人によっては強い嫌悪感につながります。
親しい間柄であれば丁寧語を使う必要まではないかもしれませんが、それでも「お互いが敬意を持つ関係」を心がけましょう。
また、人は、強すぎる命令を嫌います。
とくに、年下の人や立場の違う人に依頼する際は、「命令」のニュアンスではなく「確認」になるように心がけましょう。
「おまえの考えも聞きたいから、メシに連れていってやるよ」    ↓「食事をしながら、話を聞かせてもらってもいいかな?」
「早くテーブルを片付けなさい」   ↓「そのテーブル、6時までに片付けてもらえる?」
確認や依頼の形であれば、相手は気持ちよく行動に移すことができます。
とくに年上の相手とのコミュニケーションにおいては、「丁寧さ」が大切です。
目上の人に対しては振る舞いだけでなく、言葉の選び方から丁寧にすることを心がけます。
たとえば、祖父母との会話では、どうすればいいのでしょうか。茶道家の塩月弥栄子さんの著書『上品な話し方』(光文社)にヒントがあります。
「『おじいちゃんがいるおかげで……』、『おばあちゃんにはまだまだ教えてもらうことがいっぱいあるの……』などと、“頼られている” 実感を伝え、元気づけてあげましょう」
「若い人には、熟年者特有の心の動きを見極め、対処する義務があります。その温かい対処は、熟年者の心に張りを持たせ、喜びをもって受け入れられるにちがいありません」
丁寧な言葉づかいによって、相手への思いやる気持ちも伝えることができるはずです。
逆に使ってはいけないのが、
● 上から目線の言葉● 良いか悪いかを評価する言葉
です。
「相手から見下されている」「相手は自分を評価しようとしている」と感じられる言葉は、相手の心を閉ざし、コミュニケーションの妨げになるので、気を付けましょう。
年下の相手とのコミュニケーションでは、「相手の話をさえぎらない」ことが大切です。会話のプロたちの本の中では、「割り込まない」「奪わない」という表現も使われていました。
意外に多くの人ができていないのが「話は最後まで聞く」「話を途中でさえぎらない」ことです。
ヤフー常務執行役員の本間浩輔さんは、『ヤフーの1on 1』(ダイヤモンド社)の中で、上司が部下の話を聞くのに集中することで、「(部下は)語ることによって、だんだん自分の考えが明瞭になり、深まっていく」と、最後まで話を聞くことのメリットについて述べています。
「話を最後まで聞く」と、ほかにも次のメリットがあります。
● 会話が盛り上がる。● 相手から好感を持たれる。● 考える部下が育つ。● 人気者になれる。● 安心感を与えられる。
◆さえぎり行為の一例(NG例)
● 割り込んで話題を変える相手の話の途中に、「ところで」「そんなことより」「それよりも」と言って、割り込み、話題を変えようとする。
● 最後まで聞かずにまとめる相手の話を最後まで聞かずに、「それって、つまり、○○ということでしょう?」とまとめて先に進めようとする。
● 話の途中で質問をする相手が話している最中に、気になったところを「どういうこと?」と質問する。
こうしたさえぎり行為は、気づかないうちにしていることが多いものです。
相手がつまらなそうにしていたり、自分ばかり話していたりする場合には、とくに注意が必要です。
会話が盛り上がってくると起こりがちなのが、「会話の横取り」です。
相手との共通点が見つかったときに、つい「私も」「僕も」「私は」「俺が」と言って自分の話をしたくなります。
相手が先に提供した話題のときには、途中で会話を奪わず、相手中心に話してもらうようにします。
×悪い例相手「最近、●●の調子が悪くて病院通いしているんですよ」自分「そうなんですか。私も■■の調子が悪くて」相手「大丈夫ですか? どんな具合なんでしょう」自分「この間、急に痛みが出て、それから△△病院に通っているんです。食事も……」
この例では、相手が自分の話を始めたのに、「私も」と同調して話を奪い、自分の話にしています。
〇良い例相手「最近、●●の調子が悪くて病院通いしているんですよ」自分「そうなんですか。私も■■の調子が悪くて、体調が悪いと大変ですよね。●●はどうされたんですか?」相手「■■ですか。私の場合は……」
良い例では、同調したあとに質問を返したことで、会話の中心が相手になっています。
もし、自分が会話の中心になっていたときには、話し終わったあとに、「あなたは?」と聞くようにします。会話は、相手とつくり上げていくものです。インタビューやプレゼンなどをのぞいて、どちらか一方だけが聞き手、どちらか一方だけが話し手、という状況は避けるようにしましょう。ただし、話にまとまりがなく、長く話す人もいます。河野英太郎さんは、『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中で、そのような場合の「相手の感情を逆なでせず戦略的に話の腰を折るコツ」を3つのステップで提案しています。まとめた上で紹介します。◆相手の感情を逆なでせず戦略的に話の腰を折るコツ「なるほど、○○なんですね」と話題に入る。「確認ですが、△△ということでよろしいですか?」と確認しながら相手の話を整理する。「なるほど、△△が□□ということですね! さて、話は変わりますが……」と話の内容を整理し、締めの一言を添える。人は「話を聞いてくれる人」を好きになるここまで、●感じのいい挨拶●ほどよい敬意●丁寧さ●相手の話をさえぎらないこと●話したい相手から会話を奪わないことという5つのポイントを紹介しました。これらは、年上・年下にかかわらず、日ごろから気を付けていただくと、相手に不快感を与えずに、会話が盛り上がります。話し方や伝え方といったコミュニケーションは、関係形成の第一歩です。「こういう人にはこんなふうに言っておけばいい」などと高をくくって考えるのではなく、丁寧なコミュニケーションを重ねることで関係性が深まっていくのです。
もし、自分が会話の中心になっていたときには、話し終わったあとに、「あなたは?」と聞くようにします。
会話は、相手とつくり上げていくものです。インタビューやプレゼンなどをのぞいて、どちらか一方だけが聞き手、どちらか一方だけが話し手、という状況は避けるようにしましょう。
ただし、話にまとまりがなく、長く話す人もいます。
河野英太郎さんは、『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中で、そのような場合の「相手の感情を逆なでせず戦略的に話の腰を折るコツ」を3つのステップで提案しています。まとめた上で紹介します。
◆相手の感情を逆なでせず戦略的に話の腰を折るコツ
「なるほど、○○なんですね」と話題に入る。
「確認ですが、△△ということでよろしいですか?」と確認しながら相手の話を整理する。
「なるほど、△△が□□ということですね! さて、話は変わりますが……」と話の内容を整理し、締めの一言を添える。
ここまで、
●感じのいい挨拶●ほどよい敬意●丁寧さ●相手の話をさえぎらないこと●話したい相手から会話を奪わないこと
という5つのポイントを紹介しました。これらは、年上・年下にかかわらず、日ごろから気を付けていただくと、相手に不快感を与えずに、会話が盛り上がります。
話し方や伝え方といったコミュニケーションは、関係形成の第一歩です。
「こういう人にはこんなふうに言っておけばいい」などと高をくくって考えるのではなく、丁寧なコミュニケーションを重ねることで関係性が深まっていくのです。