母からの愚痴が多い長電話どうしたらいい?荒立てず対処するコツ

長電話や愚痴などに終始しがちな、母親からの電話。聴いていると気が滅入ってしまい、いかに家族とはいえ、苦手な人は決して少なくありません。そこで、著書『母のトリセツ 』(扶桑社刊)にて、「母親と自分のコミュニケーションにおいて、互いの傷をできるだけ少なくするアイデア」を提示する脳科学者の黒川伊保子さんに、「ネガティブな反応をする母親への対処法」を聞きました。

突然かかってくる母親からの電話は、話が長くて切りづらい。また、せっかく旅行や外食などの楽しかった話をしても、「そんなぜいたくして大丈夫なの?」などとネガティブな反応を示されると、こちらの気持ちもダウンしてしまうもの。ゆえに、自分の話を母親にはしたくないと感じる人も多いなか、脳科学者の黒川さんは、次のように提案します。

「ネガティブ・オーラが強い母親を持つお子さんは、本当に大変ですよね。ネガティブ・マザーは、寂しいからこそ電話をかけてきます。その子どもは、母親に何を言っても、ネガティブ返しをされるから、ただただ話を聞くしかなくなります。そうすると、気のない感じが伝わって、ネガティブ・マザーはさらに寂しくなり、話は延々と続きます。この恐ろしい輪廻を断ちきるのは、ポジティブ・オーラしかありません。自分の話を突っ込みましょう。ネガティブ返しされても、気にせず、反応もしないのがコツです」

母親の気が滅入る長話に巻き込まれたり、愚痴話につき合わされたり。人生の貴重な時間を、だれかの「出口のない話」につき合わされてしまうことがありますが、その対抗策は、「自分の話題を持つこと」だと黒川さんは指摘します。
「他人の愚痴話を聞かされがちな人は、自分の話題を突っ込めないから、話を終えられない。そんな人は、趣味や習い事を始めるのがおすすめです。話が長い人に、『ちょっと話を聞いてくれない?』と言われても、『ごめん、夕方、ジョギングしてるから』、『英会話を始めて、毎日Zoomレッスンをするから忙しくて』、『資格試験の勉強があるから、またね』と、爽やかに断れます。母親の電話も、趣味や習い事の進行状況を楽しく聞かせて、『じゃあね』と終わらせましょう」
趣味は、他人に自慢できるような高尚なものである必要はありません。ゲームや韓流ドラマ、小説など、夢中になる対象はなんでもかまわないのだとか。
「ポイントは、『続きがしたくて(読みたくて)(観たくて)我慢できないの。ごめん!』と走り去れる趣味を持つこと。自分の話ができれば、暗黙の裡に、『私は、だらだら話を聴いていられる人間じゃない』ことを知らせることができます。愚痴話には、出口がない。解決法を提案しても、必ず、それがうまく行かない話を見つけてくるのですから。愚痴話の出口は『解決』ではなく、別の話題へのジャンプだけ。こちらの話に誘導して、『じゃあね!』と終わりにしてしまえば、一丁上がりです。自分を守るために、自分の話ができる人になりましょう」

しかし、それでは「うちの子どもは愚痴も聴いてくれない」と母親から恨まれるのではないかと心配になる人もいるかもしれません。ただ、その心配は不要だと黒川さんは続けます。
「大丈夫です。こういう人は、ほどなく、ほかの『気持ちよく愚痴を聞いてくれる人』に寄生していきます。ネガティブな人は、ポジティブな人と一緒にいられないので、向こうから疎遠になってくれるはずです。ネガティブ・マザーも、その場では寂しがるし、かわいそうな気がするかもしれないけど、けっこう大丈夫です。また、母親の場合は、子どもの『前向きの人生』に触発されて、自分も前を向こう、と思ってくれる可能性もあります」
そして、もしも、子どもの人生だけが充実していることに嫉妬する母親ならば、「本気で捨てることも考えたほうがいい」と黒川さん。
「たとえ、母親を傷つけても前向きで、好奇心にあふれた日々を過ごすこと。これが、対母親に限らず、ネガティブ・オーラにからめとられない、唯一にして最大の手段です。覚えておいてください」

それでも母親の愚痴電話に悩まされている場合。対策としては、電話の冒頭に「母親をいい気持ちにさせること」。
「母親だって本当は、娘や息子とせっかく電話するならば、『しみじみとした優しい対話』がしたいと思っています。それなのに、なぜか、話が愚痴や指図になって、子どもがドン引きして終わることになりがちです。それを防ぐには、電話の最初に、母親をいい気持ちにさせてあげましょう。たとえば、『母さんの声が聴きたかったの』と言うと、母親も『私もよ』と答えてくれるはず。その後、『なにか美味しいもの食べた?』、『庭のボタンが、そろそろ咲いたでしょ?』などと、相手の『ほんの少しのいいこと』を引き出していきましょう」
年始で家族とのコミュニケーションがある場合は、ぜひ参考にしてみては?