ひろゆきが語る「人生で一番の投資失敗体験」

ひろゆき氏と小山晃弘氏が考える「お金や日本の将来」(写真:川村将貴)
コロナの影響で健康や経済の不安もあって、「これから日本はどうなっていくのか?」「お金の価値は?」「何に投資したら安泰なの?」など、不安は尽きないもの。『YouTuber会計士がゆる~く教える会計「超」入門 ぶっちゃけ会計のことがまったくわかりません…』が4万部を超えた記念に、著者の小山晃弘と本書に推薦を寄せたひろゆき氏が「お金や日本の将来」にまつわる対談を行った。
小山:前回、通貨を分散させておくというお話が出たので、ひろゆきさんの投資観や投資術についてお聞きしたいんですけど、ひろゆきさんのなかで一番の投資失敗体験は?
ひろゆき:JALですね。2000万円くらい損したかな。航空会社って株を持っていると株主優待で割引券をもらえるじゃないですか。それを金券ショップにもちこめばそれなりの金額になるんですよ。それに日本の航空会社が潰れることはないだろうし、JALとANAの両方買っておけばどっちかは伸びるだろうと思って、それぞれまとまった額で買ったんですね。そうしたらJAL、潰れやがったんですよね(笑)。
税理士法人小山・ミカタパートナーズ代表、YouTuber公認会計士の小山晃弘氏
小山: 2010年ですね。事業会社としては戦後最大規模の倒産でした。
ひろゆき:雲行きが怪しくなったころからバンバンニュースになるので、普段は株価のチェックをしない僕もさすがにチェックして「これは売らないとヤバそうだな」って思ったんです。思ったんですけど……もうひとりの僕が「こんな機会はめったにないから最後まで見届けてみよう」と思っちゃったんですね。
小山:そして紙クズに……。
ひろゆき:そのとき気づいたんですけど、いまの株券って電子データだけなので、紙クズにすらならないんですね(笑)。パソコンの画面で数字が0になるのを眺めるだけ。そのとき「ああ、株価って毎日チェックしたほうがいいんだな」ということを学んだんですよ。
小山:私だったら1円でも売りますけどね。
ひろゆき:普通はそうですよね。でも、個別銘柄の投資は僕には向いていないということを自分への戒めとするために、JALさんと「心中」してみたんです。
小山:こうして話のネタにはなったけれど。
ひろゆき:ネタにはなりましたけど、一生かけても元は取れないです(笑)。
小山:では、個別銘柄はあまりされないわけですか?
ひろゆき:基本的には。たとえば3、4年前にこっち(フランス)の株式市場で扱っているブランド品の上場企業の株を買ったんですけど、買える銘柄、全部買ったんですよ(笑)。「トータルで上がればいいや」と。
小山:面白い投資方法ですね。
ひろゆき:結局、僕のような面倒くさがりの人間は、「市場全体にベットしてほったらかす」のが一番楽で確実だと思うんですね。
だから僕に投資の質問をしてくる方には「つみたてNISAで投資信託を買う。その一択でいいよ」といつも言うんです。そもそも僕に投資の質問をしてくる時点で、その人はたぶん面倒くさがりだから。
小山:積立なら買うか買わないかの判断をしなくていいし、NISAだから税制上有利だし、投資信託ならファンドマネジャーが運用してくれるわけですからね。
ひろゆき:そうなんです。面倒くさいことはプロに任せてしまえばいい。
ただし、通貨の分散もしておきたいから、お金に余裕のある人にはアメリカのインデックスファンドも勧めています。アメリカの経済が順調なら儲かるという、わかりやすい投資対象ですからね。僕もたまに暇なときに情報を集めて、「このアメリカのインデックスファンド買っておこうかな」みたいなことはいまでもしています。
……というか、逆にお金のプロの小山さん的にはどんなアドバイスをされるんですか?
小山:投資って「リスクが取れる、取れない」とか「守る家族がいる、いない」とか、その人の嗜好や状況によって最適な戦略が変わるので、「これがベスト!」みたいな言い方はしないんですよ。ただやっぱり円が弱い問題があるので、外貨投資、それと堅実な投資手段としての投資信託を勧めることが多いですね。
ひろゆき:やっぱりそうなるんですよね。
小山:ちなみに仮想通貨はいかがですか? テクノロジーに強いひろゆきさんなら積極的にやられていそうですが。
ひろゆき:ああ、そういえばモナコインが出始めたころにユーザー同士であげるみたいなことがあって、僕も少し持っていたんですよ。でもいざ売ろうとしたら、パスワードを忘れて引き出せないという(笑)。
小山:「仮想通貨あるある」ですね(笑)。
ひろゆき:あと、アメリカでやっている会社が以前から仮想通貨で決済できるようにしてあったので、そこに仮想通貨がめちゃくちゃ貯まっているんです。
小山: それはすごい仕組みかも。
ひろゆき:こんなに値上がりするとは思っていなかったので、それはそれでうれしい叫びなんですけど、バランスシート上で仮想通貨の占める割合が異常になってしまって、税理士さんには「早く現金化しなさいね」って言われ続けているんです。でも、いざやってみると、仮想通貨って現金化するの超大変なんですよ。
小山: 大口だと、そうなりますね。
ひろゆき:まず取引所で売ると、かなり割り引かれてしまいます。個人のお金だったらまだ我慢できますけど、僕の場合、会社の資産なのでそれができません。そうなると1対1で売買する相対をしないといけないんですけど、額が大きいと買い手がいないし、額が小さいとさばき切れなくて。
小山:じゃあ、どうされたんですか?
ひろゆき:放置しています(笑)。そして放置している間も資産価値がどんどん大きくなっていくので、本当にどうしていいかわからないんです。まあ、おそらくこのまま先延ばしが続いて、ある日、通貨が暴落して大損して終わるんですかね。
小山: では、個人では仮想通貨はやられていない?
ひろゆき:この一件で面倒くささを知ってしまったので、どうも興味がわかないんですよね。
小山:エンジェル投資みたいな、事業投資はされているんですか? アメリカの未上場株に投資されているという話をどこかの記事で拝見したんですが。
ひろゆき:それは知り合いがアメリカでやっている居酒屋ですよ(笑)。応援したいから出資しているだけで、リターンは期待していないです。たぶん僕、エンジェル投資も向いていないと思うんですよね。お金出しても忘れそうで。
小山:でも居酒屋いいですね。実は僕もコロナが落ち着いたら、海外でラーメン屋の展開とかどうかなと、ちょっと考えているんですよ。
ひろゆき:たしかに単価が高いですからね。パリにも一風堂がありますけどラーメン一杯19ユーロ(赤丸スペシャル)とかしますからね。消費税入れたら3000円近いですよ。それだけ見ると儲かりそうな気がしますけど、こっちの人って日本酒とかワインを飲みながらチマチマラーメンを食べるんですね。
小山:麺、伸びそう(笑)。
ひろゆき:そう。だから日本と比べてものすごくお客の回転が悪い。もはや別業態だと考えたほうがいいですね。
小山:ここまで資産形成のお話を伺ってきましたが、国のリスクについてはどうお考えですか? たとえば、日本なんかは震災リスクがこわいと思うんですけど。
ひろゆき:ああ、日本というか、首都圏の話ですけど、「ゆでがえる」状態になっているんじゃないかと思うことはありますね。
小山:ゆでがえる?
ひろゆき:結局、東京って30年以内に大震災に襲われる可能性が高いわけじゃないですか。100年以内なら確実に起きると言われていますよね。それでも都内に不動産を買う人があとを絶ちません。タワーマンションもどんどん建っていますよね。
僕はいま「東京に住んでもいいし、住まなくてもいい」、「東京に投資してもいいし、しなくてもいい」というポジションにいるわけですけど、そうやって日本を客観的に眺めれば、東京でマンションを買うなんてありえない話ですよ。怖くて買えないです。
ではなんで東京の不動産がいまでも売れるかというと、東京に住んでいる人だけが「震災は起こらない」という仮定で物事を判断しているからなんですね。
小山: そう自分に言い聞かせている。
ひろゆき:うっすらわかっているけど、意識しないようにしているんじゃないですか。普通に考えれば、東京に住むとしたら賃貸になるはずなんですけどね。家が壊れたら引っ越せばいいだけですから。
小山:最後に自己投資についてひとつお聞きしたいんですが、MBAについてどうお考えですか? USCPA(米国公認会計士)は世界中どこでも潰しがきくのでおすすめという話が前回ありましたが。
ひろゆき:アメリカに直接行ってMBAを取るなら価値はあると思います。それ以外は正直あまり意味がないかな……。たとえば最近、国内MBAとか、オンラインでMBAとか増えているじゃないですか。それってせいぜい「経営学の勉強を少ししました!」とアピールできるくらいの価値しかないと思うんです。小山:外資系だと管理職は修士以上が常識ですけど、日本企業は高卒でも管理職になれますからね。ひろゆき:それもありますよね。あと、アメリカの大学でMBAを取ると、超強力なコネができるんですよ。そこが価値なんですね。その人脈を買うためだと思えば、何千万円という留学費用も合理的な投資だと考えられるかしれません。やっぱりアメリカのMBAにもなれば世界中から頭の良い人が集まってくるんですね。そしてその同期たちが世界中に散らばって、大企業で管理職につく。そして歳を重ねれば重ねるほど、同期たちのポジションも上がっていくわけですよ。そのコネはすごい武器になると思いますね。(構成=郷和貴)
ひろゆき:アメリカに直接行ってMBAを取るなら価値はあると思います。それ以外は正直あまり意味がないかな……。
たとえば最近、国内MBAとか、オンラインでMBAとか増えているじゃないですか。それってせいぜい「経営学の勉強を少ししました!」とアピールできるくらいの価値しかないと思うんです。
小山:外資系だと管理職は修士以上が常識ですけど、日本企業は高卒でも管理職になれますからね。
ひろゆき:それもありますよね。あと、アメリカの大学でMBAを取ると、超強力なコネができるんですよ。そこが価値なんですね。その人脈を買うためだと思えば、何千万円という留学費用も合理的な投資だと考えられるかしれません。
やっぱりアメリカのMBAにもなれば世界中から頭の良い人が集まってくるんですね。そしてその同期たちが世界中に散らばって、大企業で管理職につく。そして歳を重ねれば重ねるほど、同期たちのポジションも上がっていくわけですよ。そのコネはすごい武器になると思いますね。
(構成=郷和貴)