旅行業界は「苦境のどん底」とJATA新会長 不祥事受け再発防止も

政府の観光支援策「Go To トラベル」事業をめぐる給付金の不正受給問題などを受け、日本旅行業協会(JATA)の高橋広行会長(JTB会長)は12日、約1100の会員企業に再発防止策の徹底を求める考えを示した。
高橋氏は会見で、不正受給問題などについて「業界の信用を失墜させるような事態だ。一会員企業の問題として片付けず、襟を正して業界全体でコンプライアンスの徹底に取り組んでいく」と述べ、会員企業のコンプライアンス(法令や社会規範の順守)体制について調査を始めていることを明らかにした。調査結果をもとに、体制が不十分な企業に指導をするほか、経営者や従業員向けの研修もしていくという。
一方、足元では新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大で旅行の予約のキャンセルも増えており、高橋氏は「業界は依然として苦境のどん底にある」との認識を示した。GoToトラベルの再開が見通せなくなっていることについては「現下の感染状況からすると慎重な対応はやむをえない」と政府の対応に理解を示した。
JATA会員では、昨年12月にエイチ・アイ・エスの子会社2社が「Go To トラベル」の給付金を不正に受け取っていたことが判明。ワールド航空サービスが雇用調整助成金を不正に受給していたことも発覚した。同社の菊間潤吾会長がJATA会長を退いたことで、高橋氏が昨年12月に新会長に就任した。(初見翔)