胸元や尻が強調されていなくても「盗撮」 東京高裁が逆転有罪判決

胸や尻をクローズアップしていなくても「盗撮」にあたり、一審の無罪判決を取り消す――。
20代女性のスカートの中を撮影しようとしたとして東京都迷惑防止条例違反罪(卑猥(ひわい)な言動)に問われた被告の男(51)の控訴審判決が12日、東京高裁であった。伊藤雅人裁判長は、女性を背後から映した動画は卑猥といえないとして無罪とした一審判決を破棄して、懲役8カ月(求刑・懲役10カ月)の実刑判決を言い渡した。
判決によると、被告は2020年、東京都内のアニメグッズ店で小型カメラを持ち、客の女性を至近距離で背後から撮影したほか、スカートの裾と同じ高さでカメラを構えるなどした。撮影に気づいた女性が「撮ってましたよね」と被告に声をかけ、事件が発覚した。
■高裁判決 「動画内容ではなく、撮影行動から判断すべき」
昨年1月の東京地裁立川支部の一審判決は、撮影された女性の後ろ姿の動画内容について「尻や太ももを強調して撮影されていない」と述べ、条例が禁止する「人を著しく羞恥(しゅうち)させ、不安を覚えさせる行為」や「公共の場所での卑猥な言動」にはあたらないと判断して無罪を言い渡した。
だが、12日の控訴審判決は、条例違反かどうかについて「(一審が判断した)動画の内容ではなく、被告の撮影行動が下品でみだらな行為で、被害者が不安になるかなどから判断すべきだ」と指摘。その上で被告の行動を改めて検討し、(1)被告がカメラを覆い隠すように持ってレンズを女性の下半身に向けていた(2)動画を撮る前に女性の胸も撮影しようとしていた(3)この店でほかの女性も繰り返し盗撮し画像データを保存していた――ことなどから一審の判決を覆して条例に違反すると認定した。
執行猶予付きの判決ではなく実刑にした理由については、被告が同様の事件を過去に起こしたことを考慮し、「犯行は巧妙で、強い非難に値する」と説明した。(新屋絵理)